まともならぬ時代に対する抵抗(レジスタンス)の精神。


2冊目は『ある抵抗の姿勢—竹林七賢』


三國志13PKをより楽しむための読書、オススメの2冊目は『ある抵抗の姿勢—竹林七賢』。
引き続きPKからの新武将「阮籍」、及び彼を含む「竹林の七賢」に関する本です。



三國志13PKある抵抗の姿勢竹林七賢04


この本の内容は大まかに…
  1. 竹林七賢ってどんな人?
  2. 7人についての伝記(世説新語まとめ)
  3. 竹林七賢の精神のその後(江南八達)
  4. 清談亡国論
の4つに分かれています。
清談3流派(析玄・名理・曠達)分類(慳收却酸萓犬砲茲襦砲魯押璽爐任發修里泙泙離轡船絅─璽轡腑鵑膿А耕兪曚任そうなので必見。


酒は量があればあるほどいいよね、飲まれて乱れるのが最高!


そして、何と言っても竹林七賢への愛情が溢れ、解釈が独特なのが面白い!
その象徴となるのが下の一文。
『論語』の「酒無量不及乱」(酒は飲んでも飲まれないのがいいよね)の冗談訳、「酒は量、乱に及ばざるはなし」(酒は量があればあるほどいいよね、飲まれて乱れるのが最高!)の部分。
著者の後藤基巳先生が、酒好きかどうかは存じ上げないですが、相当な竹林七賢好きなのが分かりますw
三國志13PKある抵抗の姿勢竹林七賢02


司馬氏が迫って来た婚姻関係を、阮籍は酒の力を使ってはぐらかし、回避。
今でも使われる「酒の席だからまぁ大目に……」の三国志版www
それは正始の政変、司馬昭の曹髦殺害……失われて行く「儒教」の「義」は三国志演義(及び史実三国時代)の終焉へと向かって行くことへの抵抗(レジスタンス=礼教破壊=礼教重視←重要)の現れ。
竹林七賢それぞれが章立てされて説明されることで、それぞれの抵抗の仕方が浮き彫りになり、竹林の七賢1人1人の個性が見えてくる内容になっています。
また、抵抗の精神が受け継がれた晋時代でどうなったのか?
西晋滅亡の原因は、竹林七賢の精神を受け継いだ王衍(256〜…ギリギリ三国時代の人でもある?三國志シリーズ未登場)ではないのか?(清談亡国論)というところまで話を展開して行きます。
お酒(竹林の遊び・肆意酣暢)は、国を滅ぼしたのか?
三國志13PKある抵抗の姿勢竹林七賢01


長い夜、長い道を楽しむPKプレイ


為PK的読書(1)で紹介した魯迅も度々文中に登場。
竹林の七賢の中でも異端の学者向秀を説明するため、以下の文を引用しています。




泥の中に小さな孔を掘り、辛うじて喘ぎつづけるばかりである。これはいかなる世界であろうか。夜は長く、道もまた長い(松枝茂夫氏訳/魯迅「忘却のための記念」岩波文庫『魯迅評論集』所収)

三國志13PKある抵抗の姿勢竹林七賢03




向秀「思旧の賦」(司馬氏に使えることにした向秀が、司馬氏に殺害された嵆康を悼む歌)に対する魯迅の想いは、自己と自分の置かれた環境を竹林の七賢に重ねていたと理解できます。

長い夜、長い道をどう生きたのか?

孔明の死、蜀の滅亡で三国志を終えてしまっている方も、今の自分を照らし合わせて楽しむための『三國志13PK』ってどうでしょう?
『三國志13』がブラック企業シミュレーション(君主プレイは楽しめるが、一般武将は任務遂行のみで誰でプレイしてもあまり変わらない一本道)になっていたので、PKはそういうシミュレーションにも答えてくれそうです。


左からPC、PS4、PS3版になっています






とりあえずこの本を読む事で「宴席」をロシアフォルマリズム的に異化してくれるくれることは間違いないです。